子どもたちの未来へ
興味のなさそうだった子どもが、20年後に演奏会へ足を運ぶかもしれない。知らなかった音楽が、いつか誰かの宝物になるかもしれない。そんな種まきのために、”しま”の子どもたちのいる場所へ、音楽を届けています。
きっかけは、素朴なものでした。『し・ま・の・オーケストラ』に講師として来てくれたプロの仲間が、たまたま島に何人かいる。じゃあ1日だけ滞在を延ばして、どこかで演奏会をしてみようか。平日だし、有料の演奏会はまだ難しい。それなら、学校や児童館に出向いて、そこから長い目でお客さんを育てていこう。そんな思いつきから始まりました。
「母と子」公演
演奏を楽しむには、静けさが大切です。だから当音楽祭でも、本公演には未就学児にはご遠慮いただいています。でも、小さな子どもがいるからといって、音楽から遠ざけたくはない。そんな想いで、子どもと一緒に聴くことのできる演奏会を、児童館など身近な場所で開いています。
ある日の公演で、演奏中ずっと走り回っていた子が、帰り際にふと、今日初めて耳にしたはずの曲を口ずさんでいました。静かに、じっと座って聴く子だけが聴いているのではありません。走っても、手をたたいても、声を出しても大丈夫。その子なりの聴き方で、安心して楽しんでください。
一般の方にもご入場いただける場合がありますが、主役は子どもたちです。演奏を静かに楽しみたい方には、有料の本公演にいらしていただきたいと思っています。無料の場には無料の場の良さがあり、有料の演奏会には有料の演奏会の良さがある。私たちは、その両方を大事にしたいと思っています。
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学校公演
「知らないから、行ったことがないから、行かない」——将来、自分の心を支えてくれるかもしれない出会いを、そこで失ってほしくない。そんな想いで、学校にも出向いて演奏会を行っています。
学校という場所ではどうしても、子どもたちに「ちゃんと聴かせなきゃ」と、先生方が一生懸命静かにさせようとする場面によく出会います。でも私たちが本当に見たいのは、音楽に心から共感して、思わず声が出てしまうような瞬間です。いろんな聴き方があっていい。でも、演奏会という聴き方も、いつか知っていてほしい。「触れたことがある」「手近に存在する」という記憶が、これから音楽と親しむきっかけになれば。先生方にも肩の力を抜いて、お聴きいただきたいと思っています。
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